「ブランディングに取り組みたい…。」そんなときに気になるのは費用のことではないでしょうか。ブランディングにはノウハウが必要なため、ブランディングの構築に関するコンサルティングを受けることが望ましく、ロゴやパッケージ、広告などの制作にも費用がかかります。
そこで、本記事ではブランディング費用の相場や内訳などについてまとめました。
ブランディング費用の相場
ブランディング費用は、企業の規模や対象となる商品、サービス、制作物の範囲や求めるクオリティなどによって違いがあります。ブランディングのコンサルティングのほか、ホームページやロゴ、パンフレット、名刺の制作を依頼した場合で、400万円前後が相場です。
ブランディング費用の内訳
ブランディング費用の内訳は、以下のとおりです。
- コンサル料
- ロゴ・パッケージ作成
- 広告
ブランディングにはコンサル料のほか、ロゴやパッケージ作成、広告などの制作費用が実費としてかかります。
コンサル料
ブランディングのコンサル料は、中小企業向けのサービスを中心に、依頼する企業が支払いやすいように、最低契約期間を3か月や6か月とした月額料金制、あるいは年間契約で月々の分割払いとしているところが多いです。月額10万円~15万円程度で、1年間の場合で120万円~180万円程度が相場になります。
ただし、ブランディングのコンサル料には幅があります。月額料金が30万円近い会社のほか、大手のコンサルタント会社の場合、ブランディング戦略の立案のコンサル料として、1,000万円以上の金額を設定しているところもあります。
ブランディングのコンサルティングでは、月1~2回、1回2時間~6時間程度、決められた回数・時間のミーティングが設定されているのが一般的です。会社による違いはありますが、ブランドのコンセプト設計やプロモーションのプラン設計、制作物のディレクションなどが行われることが多いです。
ロゴ・パッケージ作成
ロゴは企業や商品、サービスのシンボルといえるもので、ブランドアイデンティティを示すものです。ロゴのデザイン費用は価格差が大きく、3万円~50万円程度まで幅があります。個人のデザイン事務所は、リーズナブルな価格で提供するところが多い傾向です。
また、ロゴのデザイン費用は、デザイン案の提案数・修正回数、デザインの複雑さやクオリティ、依頼する企業の規模などによって異なります。たとえば、ロゴマークのみ、あるいは文字のみの場合と、ロゴマークと文字を組み合わせる場合で、料金を分けているケースや、タテとヨコデザインの2パターンをつくる場合は別途追加費用が必要なケースがあります。
商品のパッケージの作成費用のうち、デザイン費用は3万円~20万円程度が相場です。パッケージのデザインの過程では、試作品の制作が行われるのが一般的です。ラフスケッチの提出や試作、実際に量産したときの微調整といった工程の有無や、パッケージの形状などによっても費用が異なります。また、パッケージの作成には別途、印刷費や加工費が発生します。大きさにもよりますが、1箱当たり90円~130円が目安です。
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広告
ブランディングの一環として広告展開を行う場合、媒体費用のほかに制作費用がかかります。広告制作にあたって写真撮影を伴う場合、別途2万円~30万円が必要です。ただし、同じ写真をほかの媒体でも共通して使うことが多いです。
WEB広告のうち、自社サイトやLPに誘導するためのバナー広告の制作費用は、静止画の場合で4,000円~1万5,000円が目安で、大きさにより異なります。
動画広告の制作費用は数万円~1,000万円程度と幅がありますが、30万円~100万円がボリュームゾーンです。動画広告の価格の違いは主にクオリティによるものです。動画広告は、ディレクターが構成作家やカメラマン、ナレーター、編集スタッフをとりまとめて制作が行われ、スタイリストやタレントを起用することもあります。
リーズナブルなのはディレクターがほかの役割を兼ねているケースで、制作にかかわる人の数やスキルは費用に大きく影響します。また、撮影に使用する機材のグレードによって、制作費用もクオリティも変わってきます。
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【種類別】ブランディング費用の相場
企業ブランディングのコンサル料の総額は60万円~200万円がボリュームゾーンなのに対して、個人ブランディングは6万円~10万円程度です。
個人事業主にとって、個人ブランディングは比較的手軽に利用できるサービスといえます。
企業ブランディング
企業ブランディングはコンサル料が月額10万円~30万円程度かかり、最低契約期間が3か月や6か月、1年というケースが一般的です。
総額で60万円~200万円程度がボリュームゾーンになります。大手のコンサルタント会社に依頼する場合には、コンサル料として1,000万円以上かかるケースもあります。
●関連記事:企業ブランドの構築と会社の価値~企業ブランディング成功事例
個人ブランディング
個人ブランディングは、1回当たりのコンサルティング料として金額設定されているケースが一般的です。1回1時間~2時間で、1万円~6万円程度と幅があります。
また、コンサルティング会社によって、1回で完結するケースや3か月・3回といった形でコンサルティングの回数が決められているケース、自由に回数を設定できるケースなどさまざまです。個人ブランディングのコンサルティング料は、総額で6万円~10万円程度目安になり、企業ブランディングよりもリーズナブルです。
また、個人事業主が個人ブランディングのコンサルティングを利用する際、事業との関連性が認められる場合は、必要経費として計上できます。
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ブランディングの費用対効果
ブランディングによる新たな認知の獲得や商品、サービスのイメージの向上といった費用対効果は、一般的に数値として把握するのが難しいとされています。
たとえば、WEB広告において「CPA」は、購入や資料請求といったコンバージョン1件の獲得にかかった広告費用を示す指標ですが、ブランディング広告の目的となる認知の獲得や商品やサービスのイメージの向上の効果を測ることはできません。しかし、ブランディングを行っていくうえで、費用対効果を検証して次の施策に生かしていくことは重要です。
そこで、ブランディングによる効果の測定に活用しやすいのは、「新規接触率」というユニークユーザーに対するその媒体を通じて新たにブランドを知った人の割合を示す数値です。新規接触率が高い媒体へ広告出稿を続けることで、ブランドの認知率を効率よく上げていくことができます。
ブランディング費用の見積もりの流れ
ブランディングを依頼する場合、以下の流れで見積もりが行われます。
- 問い合わせ
- オリエンテーション
- ヒアリング
- 見積もりの作成
- 契約
コンサル会社などにブランディングを依頼する際には、まずはホームページの問い合わせフォームなどから問い合わせを行います。そして、オリエンテーションでサービス内容に関する説明が行われた後、現状の経営状況や事業の方向性、課題のほか、予算や期間、予定している制作物などのヒアリングが実施されます。通常、ヒアリングは1回で行われるので、予算やブランドの構築にかける期間、制作する物などを事前に決めておくことが望ましいです。
また、対応してもらえる業務範囲について確認しておきましょう。その後、見積もりの作成が行われ、条件が合致していれば契約へと進むという流れです。
まとめ
ブランディング費用としてコンサル料のほか、制作物に関する実費が発生します。ブランディングには費用がかかり、すぐに効果を実感しにくいですが、中長期的な視点でみていくと、売上アップにつながっていきます。コンサル会社や依頼する業務範囲によっても費用は変わってくるので、まずはブランディングに関する見積もりを依頼してみましょう。